こんにちはmoon(@moonmoon0969)です。
伊坂幸太郎さんの「砂漠」をAudibleで読了しました。
爽快でおもしろく、一気に聴き終えました。
青春時代の日常を描いた、爽やかな1冊です。
ただただ面白いだけの小説なのかと思いきや、
懐かしくもあり、切なくもあり、
感動もあり、と読み応え十分。
また伏線も所々にあり、それを回収していくという、本当に楽しめる小説です。
伊坂幸太郎作品に登場するキャラクターは魅力的で個性豊か。
会話のテンポがよく、クセになります。
この「砂漠」のキャラクター達も例にもれず。
「砂漠」の登場人物の5人のキャラも絶妙で引き込まれること間違いなし
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「砂漠」あらすじ

この一冊で世界が変わる、かもしれない。
仙台市の大学に進学した春、なにごとにもさめた青年の北村は四人の学生と知り合った。
少し軽薄な鳥井、不思議な力が使える南、とびきり美人の東堂、極端に熱くまっすぐな西嶋。
麻雀に勤(いそ)しみ合コンに励み、犯罪者だって追いかける。
一瞬で過ぎる日常は、光と痛みと、小さな奇跡で出来ていた――。
明日の自分が愛おしくなる、一生モノの物語。実業之日本社創業120周年記念!
引用:https://www.audible.co.jp/
小社文庫限定の書き下ろしあとがき収録。
著者:伊坂幸太郎氏

1971年生まれ
千葉県松戸市出身
宮城県仙台市在住
東北大学法学部卒業
大学卒業後、システムエンジニアとして働くかたわら文学賞に応募、2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。数多くの有名な作品を輩出。『重力ピエロ』『アヒルと鴨のコインロッカー』『ゴールデンスランバー』『逆ソクラテス』『アイネクライネナハトムジーク』『グラスホッパー』などがある。
受賞歴
1996年 第13回サントリーミステリー大賞佳作『悪党たちが目にしみる』、大幅に改訂されて『陽気なギャングが地球を回す』として祥伝社から出版
2000年 第5回新潮ミステリー倶楽部賞『オーデュボンの祈り』
2004年 第25回吉川英治文学新人賞『アヒルと鴨のコインロッカー』
2004年 第57回日本推理作家協会賞 短編部門『死神の精度』
2006年 平成17年度宮城県芸術選奨 文芸(小説)部門
2008年 第21回山本周五郎賞、第5回本屋大賞『ゴールデンスランバー』
2020年 第33回柴田錬三郎賞『逆ソクラテス』
「砂漠」の後書きには
「『砂漠』が1番好き」と言われることが多い、とあります。
映像化など派手な話題にはなっていないにも関わらず『砂漠』が読者の中では大変人気だそう。
しかも読者の言葉には熱がこもっていて、自分の進む道、進む方向が「砂漠」に影響されたと言う感想もあるそうです。
理由はわからないが他の作品にはないものが「砂漠」にはあるのかもしれないと伊坂氏は語られています。
「砂漠」の感想
登場人物
- 北村
- 物語の主人公・語り手。何事にもさめた青年。周囲を見下ろしがちな「鳥瞰(ちょうかん)型」と揶揄されるも、4人との関わりによって変化していく。
- 鳥井
- 少し軽薄で何事も率先して動き、みんなを巻き込んでいくタイプ。気の利く優しい面もあり、髪型がヤマセミと言われる。ある事件をきっかけに大きく変わっていく。
- 西嶋
- 極端な正義感と独特な言い回しで周囲を引かせてしまう。熱くまっすぐな性格で周りに変化をもたらす。物語の鍵となる人物。パンクバンド「ラモーンズ」好き。
- 南
- 陽だまりにいるような温かい雰囲気をまとっている。素朴で可愛らしいが不思議な力を持つ。鳥井の中学の同級生。おっとりしているが麻雀がめちゃくちゃ強い。
- 東堂
- 大学内とびきりの美女。クールで感情は出さず冷たい印象だが、西嶋の良さにいちばん最初に気づき、理解する。西嶋のなにごとにも真剣で臆さない姿に惹かれている。
5人の性格が見事に際立ち、バランスが絶妙。
印象的なセリフ
西嶋の言葉には名言がたくさんあります。
「今、目の前で泣いてる人を救えない人間がね、明日世界を救えるわけがないんですよ。」
「助けりゃいいんですよ、そんなの。何様なんですか、」
「俺なんかね、未来は全部未確定ですよ。自由なんですよ。」
「俺たちがその気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、余裕で出来るんですよ。」
「笑ってる東堂の隣にいるのは、俺じゃないと嫌だって思ったんですよ。」
熱くまっすぐな西嶋の言葉にハッとすることがしばしば。
いつもめちゃくちゃな西嶋のようですが、終始一貫していて、かっこよく思えてくるんですよね・・。こんなにまっすぐ自分の意見や気持ちをぶつけれるなんてすごいなと。
周りも、次第に影響され変わっていくのだから、やっぱりかっこいい。
西嶋の名言は、まだまだたくさんあります。
熱い西嶋の言葉を感じてほしい
「空は青く、海は広く、西嶋はびりだ。」
鳥井の「ぎゃはははっ」と笑う明るさと適当さは若者そのものでなんとも清々しい。
後半、適当で軽薄なただの若者でなく心も身体も強くなっていくところは感動します。
「なんてことは、まるでない」
北村の口癖のように出てくる言葉。
照れ隠しのような言い回しにクスッとします。
冷めた口調で突っ込みを入れる会話が楽しい。
ずっと何をするにも人ごとのようだった彼も徐々に変わっていくところも面白いです。
「俺は恵まれないことには慣れてますけどね、大学に入って、友達に恵まれましたよって、西嶋はずっと言っていた」
東堂が北村に言った言葉。これにはグッときました。
西嶋は普段勝手な言動が多いですが、心の中ではちゃんと思っているんだなと、じんとくるシーンです。
「学生時代を思い出して懐かしがるのは構わないが、あの時は良かったな、オアシスだったな、と逃げるようなことは絶対に考えるな。そういう人生を送るなよ。人間にとって最大の贅沢とは人間関係における贅沢のことである。」
最後の学長の言葉は深い・・。
サン=テグジュペリ「人間の土地」からの引用なのですが素晴らしいです。
人間関係における贅沢・・まさになにものにも変えられない一番の贅沢かもしれません。
その学長の言葉をふまえた上で・・
最後に駆け寄ってきて、北村と鳥井に言った莞爾(かんじ)の言葉がひびきます。
「俺さ」「本当はおまえたちみたいなのと、仲間でいたかったんだよな」
5人の絆をうらやましく思っていた最後の彼の言葉になんだか込み上げるものが・・。
終わりに

終わってほしくない、終わってほしくない、と思いながらラストを迎えました。
キラキラとした青春時代、5人が成長していく姿に自分の学生時代を重ねたり、息子たちと重ねたり・・。
信じることから世界は変えられるのかもしれないと思える本です。
「100回読んでも面白い、新しい」とカバーにあるように、何度も読みたくなる本。
面白かったーー。
Audibleでは、登場人物たちの個性際立つ朗読が本当に素晴らしいです。
何人もの人物の個性がしっかり際立っていて別人が話しているよう。
ぜひ、Audibleでも聴いてみてほしいです。
Audibleで聴いた中でも、朗読が素敵な作品。


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